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80歳で20本以上の歯を残すために③-2

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連載③-2:歯科医院でできる予防法

前回に引き続き、今回も「歯科医院でできる予防法」です。
今回は「歯石除去」・「フッ素塗布」についてご説明いたします。

歯石除去について

歯石は細菌のかたまりであり、放っておくと虫歯や歯周病を引き起こす原因となります。
歯石を放置せずに、定期的に除去するようにしましょう。

  • 歯石除去の方法
    • 歯茎の上の柔らかい歯石を取る歯石除去(スケーリング)
      歯石除去は超音波の振動を与えながら歯石を粉砕して除去します。
      歯石はどんなに歯を磨いていても徐々に形成されていき、誰にでもできてしまうものなので、虫歯や痛みがなくても定期的に歯科医院を受診して除去する必要があります。
    • 歯茎の中の硬い歯石を取る歯石除去(ディープスケーリング)
      歯と歯茎の隙間の歯周ポケット内の歯石は歯周病の原因となるものです。
      超音波の振動や歯石を取る細い器具を使って除去します。
      この時、歯茎が腫れていたり、出血があると取り残しの原因となるため、出血が無い歯茎の状態にしてから、歯石を除去する必要があります。
      歯周病ポケットの深さは4mmまではこのディープスケーリングで除去しますが、それ以上になると、外科的な処置が必要になります。
    • 歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ・フラップ手術)
      5mm以上の歯周ポケットの中の歯石を除去するためには、麻酔をし歯茎を切開し、歯石が見える状態にしてから除去しなければなりません。また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くするための施術も行います。
      保険診療の範囲で処置することができ、1回に4本程度となります。
      費用は3割負担の方で10,000円前後、処置時間は1時間程度です。
  • 歯石除去の回数
    • 歯茎の上の柔らかい歯石除去:1回
      保険診療で3割負担の方の場合、費用は3,000円前後です。
    • 歯茎の中の硬い歯石除去:3~6回
      費用は保険診療で3割負担の方の場合、2,000円~3,000円程度(1回毎)
  • 歯石除去の頻度
    少なくとも6ヵ月に1回の歯石除去をおすすめします。
    短い期間で定期的に歯石を取っている患者さまは、1回で全ての歯石を取ることができますので3ヶ月に1回のペースが理想です。

歯石除去後には、知覚過敏で歯がしみる・引き締まって歯茎が下がる・重度の歯周病の方は歯が揺れるなどの症状が出る場合がありますが、その状態が現在の正常な状態です。
症状がひどい場合は別途ご相談ください。

フッ素塗布について

  • フッ素塗布の効果
    • 唾液中に含まれるミネラルの沈着を促進し、再石灰化を助ける。
    • 歯の質を強化し、酸から歯を溶けにくくする。
    • 酸の生成を抑える。
  • フッ素塗布の頻度
    当院では3ヶ月に1回程度のフッ素をお勧めしております。
  • 費用について
    費用:800円(税別)

以上、「歯科医院でできる予防法」でした。
虫歯や歯周病は進行してからの治療になりますと、歯の寿命が短くなってしまいます。
そのため、現在の歯科の考え方は、虫歯になってから治療するよりも、虫歯にならないように予防をすることを重視しています。
自分の歯の状態を理解し、ご自宅での正しいメンテナンスを行いつつ、定期健診などで行われるクリーニングを適切に組み合わせ、治療をするところまで虫歯や歯周病が進まないように管理していくことが必要になります。
次回は、「当院で行っている定期健診」についてご説明したいと思います。
更新は、5月20日を予定しております。

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