80歳で20本以上の歯を残すために①
連載①:虫歯について
当院では、日本歯科医師会の提唱する「8020(ハチマルニイマル)運動」に賛同し、「80歳で20本以上の歯を残すこと」をコンセプトとしています。
今回は、「80歳で20本以上の歯を残すために」というテーマでコラム(全4回)を連載したいと思います。
第1回は、「虫歯について」です。
最新の虫歯予防について
虫歯は細菌が糖質をもとに作り出す酸が歯を溶かすことで生じます。
多くの場合、歯の間や奥歯の溝などは虫歯になりやすく、特に奥歯の溝の細菌は歯磨きだけで、完全に取り除くことはできません。
そのため、「毎日欠かさず、歯磨きをしていれば虫歯にならない」という、これまでの定説は正しくなかったいう見方が、歯科医師の間での最新の見解です。
虫歯になってしまう理由
歯の表面のプラーク(歯垢)内には細菌が存在します。プラーク(歯垢)内では、細菌によって食事のたびに酸が作られ、お口の中のpHを低下させてしまいます。
このpHが低下すると、歯のエナメル質からカルシウムとリン酸が失われて(脱灰)、う蝕が始まります。
この状態を一般的に「初期の虫歯」とよんでいます。
ご存知ですか!?お口の中を細菌から守っているのは「唾液」です!
人間の唾液は、お口の中を中性に保つことで、細菌の作りだした酸の影響を弱め、歯を守っています。
また唾液には、カルシウムやリン酸が含まれており、酸によって脱灰されてしまった歯を修復してくれています。
この唾液が歯を修復してくれる働きのことを、「歯の再石灰化」といい、みなさんもテレビCMなどでよく耳にするのではないでしょうか。
「再石灰化」とは初期の虫歯の患部にカルシウムとリン酸が再沈着することです。
このような脱灰・再石灰化のサイクルは日常的に、お口の中で繰り返されており、唾液は虫歯を予防するという重要な働きをしています。
ですから、唾液量が少ないと虫歯になりやすく、多いとなりにくいということが言えます。
唾液量を増やすには以下の方法があります。
- 適度に水分補給をする
- 良く噛んで食べる
- 酸っぱいものを食べる
- 舌を動かしてみる
- 耳の下(耳下腺)を軽く円を描くようにマッサージをする
こんなときはなるべく早く、歯医者さんに相談してください!
歯の表面のプラーク(歯垢)内には細菌が存在します。プラーク(歯垢)内では、細菌によって食事のたびに酸が作られ、お口の中のpHを低下させてしまいます。
このpHが低下すると、歯のエナメル質からカルシウムとリン酸が失われて(脱灰)、う蝕が始まります。
この状態を一般的に「初期の虫歯」とよんでいます。
ご存知ですか!?お口の中を細菌から守っているのは「唾液」です!
唾液が虫歯予防に重要な役割を担っているのは先ほどの通りですが、糖分の摂取が頻繁で、「唾液のお口の中を中性に保つ機能」や「歯の再石灰化」が間に合わずに初期の虫歯から悪化してしまった場合は、虫歯が自然に回復することはありません。
以下は、歯科での治療が必要な症状です。
- 歯が黒くなったり・穴があいてしまった虫歯の場合
(緊急度:★★★☆☆)
穴を埋めて修復する必要があります。 - 細菌が歯の神経に達した虫歯の場合
(緊急度:★★★★☆)
歯の神経にまで細菌が達すると歯の神経を抜く、大掛かり歯科治療が必要になります。 - 歯の根元にまで細菌が達した虫歯の場合
(緊急度:★★★★★)
歯の根元に病巣ができて、歯茎から膿が出ることがあります。
この状態を放置してしまうと、最悪の場合、歯を抜くしかないという状態にまで悪化してしまうことも少なくありません。
80歳で20本以上の歯を残すために必要なこと
- 普段からの虫歯予防
- 虫歯の早期発見
- 虫歯の早期治療
上記3つのポイントがとても重要ということがよくわかりますね。
続いて、「自宅でできる虫歯予防」について触れてみたいと思います。
次回は、2016年3月18日(金)の更新を予定しております。お楽しみに。